【考察】贈答品としてのアンスリウム登用について

2016/10/23

毎度おおきに、湖東フラワーです。

最近「贈答用にアンスリウムを使いたいんだけど」というオーダーをよくいただきます。
当園のアンスリウムが、贈り物として定着し始めてきたということですね!
贈り主の皆様のメンツを高められるよう、今後も良い品を仕立てていきます。
よろしくお願いします。
今回は贈答品にアンスリウムを用いることについて考察をまとめてみました。

贈答用に花を用いると聞くと、個人的に想起するのは「胡蝶蘭」です。
アンスリウムを贈りたいというお客様に話を伺うと、色々な意見をいただきます。

その中で、

「胡蝶蘭も良いんだけど、なんかありきたり。もっと他に候補が欲しい」という意見が散見されます。
胡蝶蘭の歴史は長く贈答花の第一候補ですが、ひょっとするとお客様の志向が変わってきているのかもしれません。

(私が考える)胡蝶蘭の良いところ・微妙なところ

【良いところ】

1.豪華な見栄え

何と言っても豪華な見栄えでしょう。
白色の凛とした草姿はかなりのインパクトを生み出します。
予算に応じてシルエットもかなり大きくなりますので、贈答する側も買い甲斐がありますよね。

2.贈答品として確立されたイメージ

個人的に、この要素が一番強烈だと感じています。
とりあえず胡蝶蘭を贈っておけば問題無い」というくらい、胡蝶蘭=贈答品というイメージが確立されています。
オフィスの開所時には、お祝いとしての胡蝶蘭がずらーっと並びますので、それくらい確立されています。
社長の皆様のメンツが引き立つくらい、しっかりとした商品作りがされてきた証ですね。

3.縁起の良い花言葉・シンボル

花言葉がすごく縁起良いんです。
こちらのサイトにまとめられていますが、良い言葉だらけです。

・花言葉は「幸福が飛んでくる」
・「繁栄」のシンボル(蘭全般)
・「安定」をもたらす(蘭全般)
・「上品・高貴」
・「愛と美」の象徴
・「清純」(白の胡蝶蘭)
・「あなたを愛する」(ピンクの胡蝶蘭)

…良いことしか書いてありません。
それくらい完成された花なんですね。すごい。

【微妙なところ】

1.ありきたりなイメージになっている

「とりあえず胡蝶蘭」というくらいイメージが確立されているので、冒頭のお客様みたくありきたり感が出ている可能性があります。
最近の胡蝶蘭栽培は「リレー栽培(※)」が中心です。
出荷時の草姿がどこの生産者も似たり寄ったりになっている可能性もありますね。

※リレー栽培:海外からある程度の大きさの苗を仕入れ、大きくしたらすぐ出荷する栽培手法。
出荷までの栽培期間を短くできるので、栽培→出荷の高速回転が期待できる。
一方で、栽培による特色を出しにくいデメリットもある。

2.花持ちが悪い

胡蝶蘭は2-3ヶ月もすれば花が全部落ちてしまいます。
夜のお店などは置き場所が光不足になりがちなので、もっと早くなりますね。

 

「花なんだから仕方ないでしょ」と言われればそれまでですが、もらった側はその後もオフィスやお店に飾り続けるのです。
私も行きつけのお店のリニューアルオープン時に置かれていた胡蝶蘭が、一ヶ月後には支柱だけの姿を見て、とても残念な気持ちになりました。
枯れたら撤去すれば良い話ですが、やっぱり花が置かれていると場は華やかになりますので…。
縁起的にもあまりよろしくない気がします。

最近はホコリが付着しない造花版胡蝶蘭(光触媒等)が出回ってきていますが、贈答に造花はちょっと違うと思います。

贈答用アンスリウムの可能性

当園のアンスリウムをお求めいただいたお客様には以下のような点をご説明しています。
話を聞いていただいたお客様は大抵納得してアンスリウムを購入いただいています。

1.花持ちが抜群に良い

アンスリウムは適度な光環境と水やりのタイミングさえ間違えなければ、ずっと花を咲かせ続けます。
また、新しい花も1ヶ月~2ヶ月おきに咲かせてくれるので、鑑賞期間あたりのコスパが非常に高いのです。
ご来所・ご来店されるお客様にとっても、綺麗に花が咲いている空間の方を好むのは言うまでもありませんし。

2.比較的安価なので、気軽に贈りやすい

アンスリウムは胡蝶蘭よりも比較的安価に出回っています。
なので、財布にも優しいのも魅力です。

3.インテリアとして使える

近年、造花の流通量が増えたり、観葉植物や多肉植物がよく出回っています。
これらに共通するのは「見た目があまり変化しないこと」。
植物に「インテリア」としての要素が求められているということですね。
アンスリウムは買った後も長く楽しめるインテリアとしての適性が高いと思います。

花の形もハート型で色は赤がメジャーです。
恋愛運アップの風水効果を持つインテリアとして期待できますし。

最後に

私は別に胡蝶蘭をdisっているわけではありません。
胡蝶蘭を使った方が良い場面も多々あるので、使い方次第ですね。
花選びの時、もらった相手のことを考えた時にどんなモノを贈るのが喜ばれるのかを考えて選んで欲しいなーと思いました。