豪雪の中、光の強さについて考察した話

2017/01/24

毎度おおきに、湖東フラワーです。

先週に引き続き、昨日から大雪が降っております。
しかも先週より雪量が多く、道中何台もの車が道路脇の田んぼにダイヴしていました。
雪かきしても後からすぐに積もり始めやがります。
なので、薄手のシャツ1枚になり、半ば発狂じみた勢いで励んでおりました。
こういう作業の後に飲むプロテインがまた格別なのです。

私の車もこんな感じに雪化粧されております。

左が今週、右が先週。
雪量の違いを感じてもらえますでしょうか?

さて、こういう日は屋根に雪が積もるので、ハウスの室内がとても暗くなります。

壁面には雪が積もらないので、雪に反射した光が差し込んでいます。暗いですねー…。

照度を測ると、ハウスの中腹で300ルクスくらいで、壁際では1800ルクスくらいでした。
300ルクスは暗めのリビングくらい、1800ルクスは明るい勉強部屋くらいの明るさです。

アンスリウムの栽培に必要な照度はおよそ10,000-20,000ルクスくらいなので、結構暗いですね。
アンスリウムは元々暗い場所に棲む植物なので、数日間このような環境でも枯れないのは助かります。

基本的に、光は植物の光合成や花が咲くのために必要なので、無いと枯れるしかありません。
しかも植物には足がありませんから、人間みたいに別の場所に移動するということもできません。
なので、植物は光の量に応じて違った反応を示します。植物って奥深いですね!

一般的に暗い場所の植物は、できるだけ光を葉緑体に吸収させようとし、葉の色が濃くなります。
一方で明るい場所の植物は、必要の以上の光を吸収させないよう、葉の色が薄くなります。
葉の緑色は葉緑体です。
色が濃いということはそれだけ光合成によりエネルギーを作り出す葉緑体が多いということです。

暗い場所では花のような生殖器官ではなく葉のような栄養器官にエネルギーが優先して使われます。
葉緑体を作り出すにもエネルギーは必要ですし、暗いために作り出せるエネルギーも限られています。
「花咲かせるよりもっと大事なことがある!」と植物が考えてしまうわけですね。
そのため、暗い場所に置かれた植物は花がドンドン枯れていきます。
暗い玄関に置かれ続けた植物の花が枯れるのはこのためです。

また、アンスリウムの場合、光の量に応じて新葉の生え方も異なってきます。

先ほどの暗い棟にあるマデュラルの株写真です。
黄緑色の葉が新葉です。

なんとこの新葉、暗い場所だと花(赤色のやつ)を越えた高さの場所に展開します。
花を葉が覆ったような見栄えになります。
植物が「上へ伸びたらもっと光があるんじゃないか」と勘違いするわけですね。

当園の場合、この暗がりは一時的なものなのでそういうことはありませんが、
この暗がりが続くと花は枯れ、葉がどんどん上に伸びていくことになります。

こういう状態を業界用語で「(軟弱)徒長」と言います。
まるでもやしのように、ヒョロっとした草姿になるということですね。

基本的に、強すぎなければ光をガンガン当ててあげた方がアンスリウムはよく育ちます。
なんせ植物ですから。
お客様をお家にご招待される時は、その時だけ玄関に置くようにしてください。
それ以外は窓際の明るい場所に置くようにすると良いと思います。

※この時期の窓際は大変寒いので、熱源のある暖かいところに置いてあげてください。

アンスリウムは買った後の管理も大事になります。
こういう身近なところから理解を深めていただけると、生産サイドとしても大変嬉しいです。